資金の閑散期には不動産投資信託が集まりすぎて、不動産業に対して過当競争となり、不必要な不動産投資が行なわれて、不動産業の業績が悪化するとともに、不動産投資信託の業績も悪化する恐れがある。不動産投資信託では資金運用がほとんど不動産に限定されているので、資金が集まるほど不動産投資に向けざるを得ない。バブル期に金融機関が行なったような過剰融資の再来は防がねばならない。このように考えてくると、不動産会社にとって不動産投資信託は歴史が浅く、総量が小さいだけに、銀行に比べて不安定な資金と考えるべきであり、これに依存しすぎると、地価や賃料の不安定な高騰・下落を生み出す恐れがある。どちらの資金を主力とするかは個々の企業の判断に任せる他はないが、業界全体としては一方に偏らず、うまく使い分ける必要があるのではないだろうか。ここでは、投資商品としての不動産投資信託の個人による購入の適否について述べるつもりはないが、価格振幅の激しい商品であることは理解しておかねばならないだろう。銀行預金と比較して、単に投資するそのときの利回りの高低だけで判断するのは危険だ。不動産投資信託の保有期間を考えて、その売却時の元本価格が少なくとも購入時より値上がりするか値下がりするかを予想できないならば、不動産投資信託には手を出すべきではないかもしれない。購入時には少々利回りが高くても、売却時に元本割れが発生したら不愉快になるのだから。
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