集合住宅ですら、ここ数年のうちに飛躍的に増加し、ともすると、コンクリート打ち放し、吹抜、ガラス張りの浴室といった要素は記号化され、商品化され、消費されてしまいそうな状況に陥りつつある。「MESH」は、その動きの中で改めて集合住宅を、街並みや平面形の可能性、構造や設備も含めた新しい合理性といった観点から追求しようと取り組んだプロジェクトである。この平面形の最大の特徴は、建物の外周部に、いわゆる水廻り空間を配置したことにある。
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主たる居室は、その内側に、ちょうど水廻りに包まれるようにしてある。このような特異な平面形に至った理由のひとつは、空間をより自由にしたいということにあった。集合住宅は、誰が住むかわからない。どんな使い方をされるのかもわからない。その自由を最大限に尊重しつつも、住まい手が使い方を発見していけるような、生活のきっかけになるような場を与えたい。そんな空間と使い方との相互通行的な関係を考えようとしたのである。このような関係を築く上で、水廻りは厄介である。なぜなら、台所が見えたとたんにそこはダイニングに見えてしまうし、浴室があれば、そこはきわめてプライベートな空間を示唆することになる。家具のように移動可能ならば、そのことに神経質になる必要はないが、水廻りは一度設置すれば動かすことができない。